「インナーマッスルを鍛えるとダイエットに効果的」という話を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。しかし、インナーマッスルとは具体的にどのような筋肉を指すのか、なぜダイエットや体づくりに重要なのかを正確に理解している方は意外と少ないかもしれません。
この記事では、インナーマッスルの基本的な知識からアウターマッスルとの違い、具体的なトレーニング方法まで詳しく解説します。
インナーマッスルとは
インナーマッスルという言葉は、ダイエットやボディメイクに関心のある方なら一度は耳にしたことがあるでしょう。しかし、その正確な意味や役割について理解している方は意外と少ないかもしれません。ここでは、インナーマッスルの基本的な定義から、体のどこに位置しているのか、そしてなぜ重要視されているのかを解説します。
インナーマッスルの定義
インナーマッスルとは、体の深層部に位置する筋肉の総称です。日本語では「深層筋」とも呼ばれ、骨や関節に近い位置で体を支える役割を担っています。
人間の体には約600以上の筋肉が存在しますが、これらは大きく分けて体の表面近くにある「表層筋(アウターマッスル)」と、深い位置にある「深層筋(インナーマッスル)」に分類されます。インナーマッスルは外から直接触れることが難しく、目に見える形で発達を確認しづらいという特徴があります。
代表的なインナーマッスルとしては、脊柱を安定させる多裂筋、呼吸に関わる横隔膜、骨盤底を支える骨盤底筋群、そして肩関節を安定させる回旋筋腱板(ローテーターカフ)などが挙げられます。
体幹とインナーマッスルの違い
インナーマッスルと混同されやすい言葉に「体幹」があります。両者は関連性が深いものの、厳密には異なる概念です。
体幹とは、頭部と四肢(両腕・両脚)を除いた胴体部分全体を指す言葉です。つまり、体幹には表層にあるアウターマッスル(腹直筋や広背筋など)も、深層にあるインナーマッスル(腹横筋や多裂筋など)も含まれます。
一方、インナーマッスルは体幹に限らず、肩関節や股関節など全身の深層に存在する筋肉を指します。たとえば、肩のインナーマッスルである回旋筋腱板や、股関節を安定させる深層外旋六筋なども、インナーマッスルに分類されます。
インナーマッスルの主な働き
インナーマッスルは、私たちが普段意識することなく行っている動作や姿勢維持において重要な役割を果たしています。
関節の安定化
インナーマッスルの最も重要な働きは、関節を安定させることです。関節は骨と骨のつなぎ目であり、動きの自由度が高い反面、不安定になりやすい構造をしています。インナーマッスルは関節の近くで収縮することで、骨同士のずれを防ぎ、スムーズな動きを可能にしています。
姿勢の維持
立っているとき、座っているとき、歩いているとき。私たちは常に重力に逆らって姿勢を保っています。この姿勢維持に深く関わっているのがインナーマッスルです。特に、脊柱(背骨)の周囲にある多裂筋や、お腹の深層にある腹横筋は、体の軸を安定させる「コルセット」のような役割を果たしています。
動作の土台づくり
スポーツや日常動作において、力強く効率的な動きを生み出すためには、安定した土台が必要です。インナーマッスルはこの土台としての役割を担っています。たとえば、ボールを投げる動作を考えてみましょう。腕の力だけで投げようとしても、遠くへは飛びません。体幹のインナーマッスルがしっかりと体を安定させることで、下半身から生まれた力が効率よく腕へと伝わり、強いボールを投げることができます。
インナーマッスルとアウターマッスルの違い

インナーマッスルとアウターマッスルは、どちらも体を動かすために欠かせない筋肉ですが、その役割や特性は大きく異なります。効果的なトレーニングやダイエットを行うためには、両者の違いを正しく理解することが重要です。ここでは、位置や役割、鍛え方の違いなど、さまざまな観点から両者を比較していきます。
位置の違い
インナーマッスルとアウターマッスルの最も基本的な違いは、体のどの深さに位置しているかという点です。
アウターマッスルは体の表層部、つまり皮膚や皮下脂肪のすぐ下に位置しています。腹筋を鍛えたときに浮き出る「シックスパック」や、腕を曲げたときに盛り上がる力こぶは、いずれもアウターマッスルです。外から見たり触ったりすることができるため、トレーニングの成果を実感しやすいという特徴があります。
一方、インナーマッスルは体の深層部に位置し、骨や関節により近い場所で働いています。体の表面からは直接確認できず、触診でも判別が難しいことがほとんどです。そのため、インナーマッスルが発達しても見た目には大きな変化が現れにくく、鍛えている実感を得にくいという側面があります。
役割の違い
アウターマッスルの主な役割は、体を大きく動かすことです。歩く、走る、物を持ち上げる、投げるといった日常動作やスポーツ動作において、実際に力を発揮して体を動かしているのはアウターマッスルです。大きな力を瞬間的に出すことに優れており、ダイナミックな動きを生み出します。
これに対し、インナーマッスルの主な役割は、関節を安定させ、姿勢を維持することです。アウターマッスルが力強く動くためには、その土台となる関節や体幹が安定している必要があります。インナーマッスルは、いわば縁の下の力持ちとして、アウターマッスルが効率よく働ける環境を整えています。
筋肉の特性の違い
インナーマッスルとアウターマッスルは、筋肉としての特性にも違いがあります。
アウターマッスルは「速筋線維(タイプII線維)」の割合が比較的高い傾向にあります。速筋線維は大きな力を素早く発揮することに優れていますが、持久力には劣り、疲労しやすいという特徴があります。そのため、アウターマッスルは短時間で大きなパワーを出す動作に向いています。
一方、インナーマッスルは「遅筋線維(タイプI線維)」の割合が高い傾向にあります。遅筋線維は発揮できる力は小さいものの、持久力に優れ、長時間働き続けることができます。姿勢を維持したり、関節を安定させたりする役割には、この持久力が欠かせません。私たちが一日中立ったり座ったりしていられるのは、インナーマッスルが休むことなく働き続けているからです。
トレーニング方法の違い
インナーマッスルとアウターマッスルでは、効果的なトレーニング方法も異なります。
アウターマッスルを鍛えるには、比較的高い負荷をかけたトレーニングが有効です。ダンベルやバーベルを使った筋力トレーニング、マシンを使ったウエイトトレーニングなどが代表的な方法です。筋肉に強い刺激を与えることで、筋肥大(筋肉が太くなること)を促し、筋力を向上させることができます。
これに対し、インナーマッスルのトレーニングには、低負荷で持続的な刺激が適しています。インナーマッスルは高負荷のトレーニングでは十分に活性化されにくく、むしろアウターマッスルが優位に働いてしまうことがあります。プランクやドローインといった体幹トレーニング、バランスボールを使った不安定な状態でのエクササイズなどが、インナーマッスルを効果的に刺激する方法として知られています。
ダイエットにおける役割の違い
アウターマッスルは筋肉量が大きいため、鍛えて筋肉量を増やすことで基礎代謝の向上が期待できます。基礎代謝とは、何もしていなくても消費されるエネルギーのことで、筋肉量が増えると基礎代謝も上がりやすくなります。つまり、アウターマッスルを鍛えることは「太りにくい体」をつくることにつながります。
一方、インナーマッスルを鍛えることは、姿勢改善を通じて見た目の印象を変える効果があります。インナーマッスルが弱いと姿勢が崩れ、お腹がぽっこり出て見えたり、背中が丸まって老けた印象を与えたりすることがあります。インナーマッスルを強化して姿勢が改善されると、同じ体重でもスッキリとした見た目になることがあります。
インナーマッスルの種類

インナーマッスルは体の深層部に存在するため、その種類や働きをイメージしにくいかもしれません。しかし、どの部位にどのようなインナーマッスルがあるのかを知ることは、効果的なトレーニングを行ううえで非常に重要です。ここでは、体幹部、肩関節周辺、股関節周辺の3つのエリアに分けて、代表的なインナーマッスルを紹介します。
体幹部のインナーマッスル
体幹部には、姿勢維持や腰椎の安定化に関わる重要なインナーマッスルが集まっています。これらの筋肉は「インナーユニット」や「コアスタビライザー」とも呼ばれ、体の軸を支える中心的な役割を担っています。
腹横筋
腹横筋は、腹部の最も深層に位置する筋肉です。お腹を横方向に包み込むように走行しており、天然のコルセットに例えられることがあります。
腹横筋が収縮すると腹圧(お腹の内部の圧力)が高まり、腰椎が安定します。重い物を持ち上げるときや、くしゃみをするときなど、体幹に力が必要な場面で自然と働いています。また、息を深く吐き出すときにも活動することから、呼吸とも密接に関係しています。
多裂筋
多裂筋は、背骨(脊柱)に沿って走る深層の筋肉です。首から腰まで脊柱全体に付着していますが、特に腰部で発達しており、腰椎の安定化に大きく貢献しています。
多裂筋は、脊柱の一つひとつの椎骨を細かく制御し、背骨のS字カーブを維持する働きを持っています。また、体をひねったり、反らしたりする動作の微調整にも関与しています。
横隔膜
横隔膜は、胸腔と腹腔を隔てるドーム状の筋肉で、呼吸における主役です。息を吸うと横隔膜が下がって胸腔が広がり、肺に空気が入ります。息を吐くと横隔膜が上がり、空気が押し出されます。
呼吸筋としてのイメージが強い横隔膜ですが、実は体幹の安定化にも重要な役割を果たしています。横隔膜が下がることで腹圧が高まり、腹横筋や骨盤底筋群と協調して体幹を安定させます。このため、正しい呼吸法を身につけることは、体幹トレーニングの基礎とも言えます。
骨盤底筋群
骨盤底筋群は、骨盤の底部をハンモックのように支える筋肉の総称です。膀胱、子宮(女性の場合)、直腸といった骨盤内臓器を下から支え、排尿や排便のコントロールにも関わっています。
体幹の安定化においては、骨盤底筋群は腹横筋や横隔膜と連動して働きます。腹圧が高まったときに骨盤底筋群が収縮することで、腹圧を適切に保ち、体幹の安定性を維持することができます。
肩関節周辺のインナーマッスル
肩関節は人体で最も可動域の広い関節ですが、その分だけ構造的に不安定になりやすい特徴があります。この不安定な肩関節を支えているのが、回旋筋腱板(ローテーターカフ)と呼ばれるインナーマッスル群です。
回旋筋腱板(ローテーターカフ)
回旋筋腱板は、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の4つの筋肉で構成されています。これらの筋肉は肩甲骨から始まり、上腕骨の頭部を包み込むように付着しています。
棘上筋は腕を横に上げる動作の初動で働き、棘下筋と小円筋は腕を外側にひねる動作(外旋)に関与します。肩甲下筋は腕を内側にひねる動作(内旋)を担当しています。これら4つの筋肉が協調して収縮することで、肩関節の骨頭が関節窩に適切に収まり、安定した状態で腕を動かすことができます。
股関節周辺のインナーマッスル
股関節は、体重を支えながら歩行や走行といった動作を可能にする重要な関節です。この股関節を深部で安定させているインナーマッスルについて見ていきましょう。
腸腰筋
腸腰筋は、大腰筋と腸骨筋を合わせた総称です。腰椎と骨盤の内側から始まり、大腿骨の内側に付着しています。
腸腰筋の主な働きは、太ももを持ち上げる動作(股関節の屈曲)です。歩くときや階段を上がるときに脚を前に出す動作で活躍しています。また、腰椎の前弯(腰の反り)を維持する役割も担っており、姿勢にも深く関わっています。
深層外旋六筋
深層外旋六筋は、梨状筋、上双子筋、下双子筋、内閉鎖筋、外閉鎖筋、大腿方形筋の6つの筋肉で構成されています。これらは骨盤と大腿骨をつなぎ、股関節を外側にひねる動作(外旋)に関与しています。
深層外旋六筋は、股関節における回旋筋腱板のような存在と言えます。股関節を深部で安定させ、大腿骨頭が関節窩に適切に収まるよう制御しています。
小殿筋・中殿筋
小殿筋と中殿筋は、お尻の側面に位置する筋肉です。大殿筋(お尻の大きな筋肉)の深層にあるため、インナーマッスルに分類されることがあります。
これらの筋肉は、片足立ちになったときに骨盤が傾かないよう支える役割を担っています。歩行中は常に片足が地面から離れている状態があるため、小殿筋と中殿筋は一歩ごとに働いています。
インナーマッスルを鍛えるメリット

インナーマッスルを鍛えることは、ダイエットやボディメイクを目指す方にとって多くのメリットをもたらします。ここでは、インナーマッスルを鍛えることで得られる具体的なメリットを詳しく解説します。
姿勢が改善される
インナーマッスルを鍛える最も実感しやすいメリットの一つが、姿勢の改善です。
現代人は長時間のデスクワークやスマートフォンの使用により、猫背や反り腰、ストレートネックといった姿勢の崩れを抱えている方が少なくありません。これらの姿勢不良は、体幹のインナーマッスルが十分に機能していないことが一因となっています。
腹横筋や多裂筋といった体幹のインナーマッスルが適切に働くと、脊柱が安定し、自然なS字カーブを維持しやすくなります。その結果、意識しなくても正しい姿勢を保てるようになり、猫背や反り腰の改善につながります。
姿勢が改善されると、見た目の印象も大きく変わります。背筋が伸びた姿勢は、実際の体重以上にスッキリとしたスタイルに見せてくれます。ダイエット中の方にとって、体重の変化だけでなく見た目の変化を実感できることは、モチベーション維持の面でも重要です。
腰痛や肩こりの予防・改善につながる
インナーマッスルの強化は、腰痛や肩こりといった体の不調の予防・改善に効果が期待できます。
腰痛の多くは、腰椎の不安定性が原因の一つとされています。腹横筋や多裂筋が弱いと、腰椎を支える力が不十分になり、日常動作で腰に過度な負担がかかりやすくなります。これらのインナーマッスルを強化することで腰椎が安定し、腰痛の発症リスクを下げることができます。
実際に、体幹のインナーマッスルを強化するエクササイズが、慢性腰痛の改善に有効であることが複数の研究で報告されています(参照:Spine Journal)。
肩こりについても同様です。肩周りのインナーマッスルである回旋筋腱板が弱かったり、体幹が不安定で肩に余計な力が入りやすかったりすると、肩こりが慢性化しやすくなります。
運動パフォーマンスが向上する
インナーマッスルの強化は、スポーツや運動のパフォーマンス向上にも寄与します。
前述のとおり、インナーマッスルは関節を安定させ、アウターマッスルが効率よく力を発揮するための土台をつくる役割を担っています。この土台がしっかりしていると、四肢(腕や脚)で生み出した力がロスなく伝わり、より大きなパワーを発揮できるようになります。
ケガの予防になる
インナーマッスルを鍛えることは、運動中や日常生活におけるケガの予防にもつながります。
インナーマッスルは関節を安定させる働きがあるため、これらが機能していると関節への過度な負担を軽減できます。たとえば、肩の回旋筋腱板が強ければ、腕を使った動作で肩関節がずれにくくなり、肩の障害を予防できます。股関節周りのインナーマッスルが強ければ、ランニングやジャンプの着地時に股関節が安定し、膝や足首への連鎖的な負担も軽減されます。
ぽっこりお腹の改善に役立つ
ダイエットを目指す方の多くが気にする「ぽっこりお腹」の改善にも、インナーマッスルの強化が効果的です。
ぽっこりお腹の原因は脂肪の蓄積だけではありません。腹横筋の機能低下によって内臓を支える力が弱まり、内臓が前方に押し出されることも原因の一つです。また、骨盤底筋群が弱いと骨盤内臓器が下垂し、下腹部がぽっこり出て見えることもあります。
腹横筋や骨盤底筋群を鍛えることで、内臓を適切な位置に保持する力が回復し、お腹周りがスッキリする効果が期待できます。特に、体脂肪はそれほど多くないのにお腹だけが出ているという方は、インナーマッスルの強化で見た目が大きく改善する可能性があります。
呼吸機能が向上する
インナーマッスルの中でも横隔膜を強化することで、呼吸機能の向上が期待できます。
横隔膜は呼吸の主役となる筋肉であり、この筋肉が適切に働くと、深くゆったりとした呼吸がしやすくなります。横隔膜の動きが制限されていると、浅く速い呼吸になりがちで、これは自律神経のバランスを乱し、ストレスや緊張を高める要因となります。
深い呼吸ができるようになると、酸素の取り込み効率が上がり、運動時の持久力向上にもつながります。また、深い呼吸は副交感神経を優位にし、リラックス効果をもたらします。ストレスによる過食が気になる方にとっては、呼吸を整えることが食欲コントロールの一助となる可能性もあります。
日常動作が楽になる
インナーマッスルを鍛えることで、日常生活のあらゆる動作がスムーズになります。
立ち上がる、歩く、階段を上る、物を持ち上げるといった日常動作は、すべてインナーマッスルの働きに支えられています。これらの筋肉が機能していると、動作の効率が上がり、体への負担が減少します。結果として、同じ動作をしても疲れにくくなり、日々の生活が楽に感じられるようになります。
インナーマッスルが衰えるとどうなる?
ここでは、インナーマッスルが衰えることで生じる具体的な影響について解説します。体の不調やダイエットの停滞に悩んでいる方は、その原因がインナーマッスルの衰えにあるかもしれません。
姿勢が崩れやすくなる
体幹のインナーマッスルである腹横筋や多裂筋が弱くなると、脊柱を安定させる力が低下します。その結果、座っているときや立っているときに背骨のS字カーブを維持できなくなり、猫背や反り腰、ストレートネックといった不良姿勢になりやすくなります。
特にデスクワークが中心の生活では、長時間同じ姿勢を維持する必要があるため、インナーマッスルの衰えが姿勢崩れに直結しやすくなります。
腰痛を発症しやすくなる
腰椎は本来、腹横筋と多裂筋によって前後から支えられています。これらのインナーマッスルが衰えると、腰椎の安定性が低下し、日常動作で腰椎に過度なストレスがかかるようになります。物を持ち上げる、体をひねる、長時間座るといった何気ない動作が、腰への負担となってしまいます。
研究によると、慢性腰痛を持つ人では腹横筋の活動が遅延していることが報告されています。通常、腕や脚を動かす前に腹横筋が先行して収縮し、腰椎を安定させる準備をします。しかし腰痛患者ではこの先行収縮が起こらず、腰椎が不安定なまま動作が行われてしまうのです(参照:Spine Journal)。
ぽっこりお腹になりやすい
腹横筋は内臓を適切な位置に保持する役割を担っています。この筋肉が衰えると、内臓を支える力が弱まり、内臓が前方や下方に押し出されてお腹がぽっこりと出て見えるようになります。これは体脂肪の増加とは別のメカニズムによるもので、「それほど太っていないのにお腹だけ出ている」という悩みの原因となることがあります。
骨盤底筋群の衰えも、下腹部のぽっこりに関係しています。骨盤底筋群が弱くなると骨盤内臓器を支える力が低下し、臓器が下垂してお腹が出て見えることがあります。
また、姿勢の崩れによってもお腹が出て見えることがあります。骨盤が前傾する反り腰の姿勢では、実際よりもお腹が前に突き出して見えます。これはインナーマッスルの衰えによって姿勢が崩れた結果として生じることがあります。
ケガのリスクが高まる
関節を安定させるインナーマッスルが弱いと、動作中に関節が不安定になり、靭帯や腱、周囲の組織に過度な負担がかかります。これは捻挫や肉離れ、関節の炎症といったケガの原因となります。
体幹のインナーマッスルが衰えている場合、重い物を持ち上げたときや急に体をひねったときに、腰椎が不安定になってぎっくり腰を起こしやすくなります。肩のインナーマッスルが弱いと、腕を使った動作で肩を痛めるリスクが高まります。
疲れやすくなる
インナーマッスルが適切に機能している場合、姿勢の維持や動作の制御は効率的に行われます。しかしインナーマッスルが衰えると、その役割をアウターマッスルが代償的に担うことになります。アウターマッスルは本来、大きな力を出すことに特化しており、持久的に姿勢を維持する働きには向いていません。
その結果、アウターマッスルは常に緊張を強いられ、慢性的な疲労状態に陥ります。「何もしていないのに疲れる」「デスクワークだけで肩や背中がガチガチになる」という症状は、インナーマッスルの衰えによってアウターマッスルが過剰に働いている可能性があります。
インナーマッスルを鍛えるトレーニング

ここでは、自宅でも取り組める基本的なエクササイズから、効果を高めるためのポイントまで詳しく解説します。
体幹のインナーマッスルを鍛えるエクササイズ
体幹のインナーマッスル(腹横筋、多裂筋、横隔膜、骨盤底筋群)を強化するエクササイズは、ダイエットや姿勢改善の基礎となります。以下に代表的なものを紹介します。
ドローイン
ドローインは、腹横筋を効果的に活性化させる最も基本的なエクササイズです。シンプルながら、正しく行うことでウエストの引き締めや腰痛予防に効果が期待できます。
仰向けに寝て膝を立てた状態で、息をゆっくり吐きながらおへそを背骨に近づけるイメージでお腹をへこませます。このとき、息を止めずに浅い呼吸を続けながら、お腹をへこませた状態を10〜30秒間キープします。これを3〜5回繰り返します。
プランク
プランクは、体幹全体のインナーマッスルを同時に鍛えられる代表的なエクササイズです。腹横筋、多裂筋に加え、アウターマッスルも含めた体幹全体を強化できます。
うつ伏せの状態から、肘と前腕、つま先で体を支えます。頭からかかとまで一直線になるよう体を持ち上げ、その姿勢を維持します。このとき、お尻が上がりすぎたり、腰が反ったりしないよう注意しましょう。
肩のインナーマッスルを鍛えるエクササイズ
肩関節のインナーマッスル(回旋筋腱板)を強化することで、肩の安定性が高まり、肩のケガ予防や肩こり改善に効果が期待できます。
エクスターナルローテーション
エクスターナルローテーション(外旋運動)は、棘下筋と小円筋を鍛えるエクササイズです。チューブやダンベルを使って行います。
横向きに寝た状態で、上側の腕の肘を90度に曲げ、脇腹につけます。軽いダンベル(0.5〜2kg程度)を持ち、肘を支点にして前腕を天井方向に回転させます。肘は体から離れないように固定し、ゆっくりと元の位置に戻します。15〜20回を2〜3セット行います。
インターナルローテーション
インターナルローテーション(内旋運動)は、肩甲下筋を鍛えるエクササイズです。エクスターナルローテーションと組み合わせて行うことで、回旋筋腱板をバランスよく強化できます。
チューブを使う場合、アンカーポイントを体の横に固定し、肘を90度に曲げた状態で体の内側に向かってチューブを引きます。肘は脇腹から離さず、前腕だけが回転するよう意識します。15〜20回を2〜3セット行います。
股関節のインナーマッスルを鍛えるエクササイズ
股関節周りのインナーマッスルを強化することで、歩行の安定性向上や下半身のトレーニング効率アップにつながります。
クラムシェル
クラムシェルは、中殿筋と小殿筋を効果的に鍛えるエクササイズです。股関節の安定性向上や、膝のトラブル予防にも役立ちます。
横向きに寝て、両膝を曲げて足を揃えます。骨盤が後ろに倒れないよう固定した状態で、上側の膝をゆっくりと開いていきます。貝殻が開くような動きからこの名前がついています。開ける範囲まで開いたら、ゆっくりと元の位置に戻します。15〜20回を2〜3セット、左右両方行います。
柏でパーソナルジムに通うならIMPETUS
インナーマッスルを効果的に鍛えるには、正しいフォームと適切な負荷設定が欠かせません。しかし、インナーマッスルは身体の深部にあり、自分では意識しにくいため、自己流のトレーニングでは十分な効果を得られないことがあります。
柏エリアでインナーマッスルのトレーニングに取り組みたい方には、IMPETUSがおすすめです。IMPETUSでは「理学療法×パーソナルトレーニング」という独自のアプローチを採用しており、身体の構造や動きを専門的に分析したうえで、一人ひとりに最適なプログラムを提供しています。
体験セッションも実施しているので、インナーマッスルを鍛えて姿勢改善やダイエットを実現したい方は、まず相談してみてはいかがでしょうか。

